安曇野STYLE2006 レポート
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 安曇野STYLE2006 Hさんのレポート

工業製品づくりに携わっていると、自分の専門分野ではなくても、世に あるカラクリキカイの仕組みや働きは、なんとなく分かるような気がしてきます。
おそらくあんな構造で、こんな材料を使っていて、ああいう使い方をすると、こういうことが出来るんだろうな、ふむふむと。いろんな構成要素の標準化が進んでいるせいでしょうか。
でもそれがひとの手でこねたり、染めたり、塗ったり、吹いたりといったものになると(手では吹けませんが)、さっぱりその成り立ちがわからなくなるんですね。どこからこんな色やカタチや味わいが出来てくるんだろうと、見たり触れたり食べたりするたびに、いつもただ驚くばかり。僕の中では、生まれてくる過程がわからないものは、山や海や空のように“初めからそこにある”ことになっています : )
そんな大袈裟なと思われるかもしれませんが、キカイの苦手な方は、いま眺めているパソコンがどういう仕組みで動いているか想像してみてくださいな。

ということで、安曇野スタイルというオープンなイベントを利用して、最終日の一日だけではありましたが、不思議なものたちが“出来てくる場所”を見せてもらいに行ってきました。




まずは“こっふぇる梅太郎”さんに立ち寄っておやつの調達。
紅玉りんごのパイと全粒粉のクロワッサン。あと、プレミアム好きのココロをくすぐる期間限定メニュー“赤ワインのブール”でポリフェノールを補給です。このブール、ワインというより沖縄の紅イモみたいなとっても不思議な色合い。スライスしたものを袋に入れてもらってくんかくんかやってみると、ほのかに葡萄の香りがしてきます。
オーブンで温めると結構気持ちよく酔えるかもしれないです。



白露さん入り口

穂高周りはいつも出歩いているので、今回は、普段あまり行く機会のない池田町へ。
陶房白露さんの工房は、そのお庭が素晴らしいと伺っていましたが、本当にワクワクするような見事な草むら! ←失礼
草木を掻き分けるように歩いていくこの感覚は、小さい頃、空き地で秘密基地を作ったときのそれと似ています。次の角のその先に何があるかわからない、見通せないことの楽しさのような。
ちょうど先客の方と入れ違いだったので、お見送りに出てこられたご主人に工房まで案内して頂いたのですが、ここがまた野の草花に囲まれた山里の隠れ家みたいないい雰囲気(山里なんですけどね)。ご主人、お茶とお菓子を用意すると「どうぞご自由になさっててください、僕ちょっとラーメン食べてきますんで」と、さわやかに母屋の方へ(笑)
午後の光差すろくろ場でお茶を頂きながら、休みの日の学校の図工教室みたいな、しんとした空気を楽しみました。
 







白露さんちのネコ


次は同じ池田町にある“アツムイ窯”さんへ。
こちらもまたカーナビが案内に困るような場所で、ようやく道沿いに看板を見つけて坂を上って行くと、大きな柿の木の近くに工房への曲がり角がありました。向こうの高台に見えるあのお宅?と思ったらその方向からクルマが一台。とてもすれ違える道幅ではないので曲がるのをあきらめ、坂の上でUターンしようと行ってみると、そこは長福寺というお寺でした。
境内の一角には見事に色づいた銀杏と楓が。


こっそり後ろから撮ってたら、お地蔵さんに気づかれてしまいました。



アツムイ窯さんのギャラリーになっているのは、糸魚川から移築したという立派な古民家です。
築二百数十年という建物をニコイチで使い、全体を小谷風にアレンジしているとのこと。きっとお好きな方にはたまらない造りになっているのだと思います。



囲炉裏のあるギャラリーの窓からは安曇野の風景が。そしてこの母屋の隣に窯場が、その隣にろくろ場があり、いろんなものがとても綺麗にまとまって、隠れることなく素通しで見えている感じ。作品も、焼きしめ一本でやっていらっしゃるとか。
同じ焼き物の工房でも、こんなにも違うカタチを持った場所になるんだなと、当たり前のことなんですけれど、ちょっと“ほほー”と思ってしまいます。





のんびりしてたらいつの間にか陽も傾いてきました。
“出来てくる場所”めぐりの最後はあそこに行っとかなきゃということで、閉館間際の安曇野絵本館さんへ。




あまり見たことがないくらい沢山クルマが停まっていてびっくりしましたが(笑)前日はもっと賑やかだったとか。
いま、僕的に注目の“SIKA(ぶた)”シリーズの原画展が行われており、フィンランド語で書かれたこれの原書が手に入るかもと思ったのですが、残念ながら日本には輸入されていないとのこと。邦訳は人気あるのになあ。でも初めて見る原画は、実はとても変わった構成になっていて、これは本を眺めているだけでは分からなかったので、やっぱり来てよかった。




絵本館は僕が安曇野へ越してくるきっかけになった場所のひとつです。
まだ他県に住んでいたころ、好きな絵本の原画と原書を目当てに時折訪ねるようになったのが始まりかと。
オーナーご夫妻とお話させて頂いたりしているうちに、いつか自分でもこんな居心地のいい場所を持てたらと思う気持ちがむくむく出来上がっていきました。もちろんその場所のカタチは違うのでしょうけれど。

いろんなものが出来てくるこの土地で、僕自身はそうした才を持たないのですが、五感に刺激を与えてくれるものや場所やひとに触れさせてもらうことで、くたびれたあたまや気持ちをこねたり、染めたり、塗ったり、吹いたりしながら、せめて自分くらいは“初めからそこにある”ような何かではない、成り立ちのわかるものにしておきたいかなと思ったりしています。


それにしても一日くらいではぜんぜん時間が足りませんでした。
出掛けるのに良い季節とはいえ、欲張って連休に予定を詰め込みすぎ。
来年は会社サボって平日も使わないと。

アズミノペンギンドー

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