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59 家具・工房
雨飾工房 |
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森のかたち、自然のフォルムを大切にしています
木には人を癒す力があるのです
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雨飾工房 木の手仕事 吉垣 茂 Shigeru Yoshigaki |

2004年の始めに北アルプス黒部源流の三俣山荘、水晶小屋、雲の平山荘などを経営されている伊藤正一さんが雨飾工房を訪れました。腰が悪いので自分の体にあった椅子を作ってほしいとのことでした。
そこで、椅子のもっとも重要な背もたれの形状を得るために、共に整形外科医院へむかい、撮影したレントゲンから背骨のカーブを写し取って型を作りましたが、なぜか合いません。次は筋肉のカーブにあわせてまた作って座って、と体にあうように削っていきました。そうしてたどりついついたのがこの椅子でした。
山が好きで信州に来てログハウスを建てて家具作りをやっている一人です。20代のころ1年の3分の1は山に入っていましたが、黒部源流の伊藤新道を拓いた伊藤正一さんとの出会いによって、吉垣さんも遠い昔の初心に戻り、本気で家具作りをやろうという気持ちが湧いてきたのだそうです。
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「これは以前納めたお客さんのですが、アイロンを座面に置いて跡がついてしまったというのでお預かりして、削り、塗装したところです。
これからさらにロッキングチェアに加工します。 最初にお作りしたときには、これがロッキングチェアになるなんて思ってもみませんでしたけどね(笑)
今でははロッキングチェアには座の下から板がスライドしてでてくるように作っているんです。 脚を伸ばして体をまかせ、自然と揺れる感じ。脚で揺するのではなく
重心はレールのアールや材料の比重で調節するんですが、難しいですよ。」
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「今までの椅子は量産がきいて安い物が求められたけれど、今は自分にあったものを求めるようになったきました。食事の椅子をいくつも求めるのではなく、自分のくつろぐ大きめのものが好まれるんです。
椅子で重要なのは背もたれです。工房に来て座ってもらうのが大切ですね。高齢の方は、立ち上がるのに肘掛けが必要な場合もあるし、座面の高さは座ってかかとと膝の裏が同時につくくらいがいい。
座が低くて太股が浮いているとかかとに負担がかかるし、座が高いと
太ももが圧迫されてエコノミー症候群になってしまうんです。
テーブルは食卓というより2番目の机、小さめの文机を求める方が多いですね。
ちょっとお茶、とかに使うんですね。」
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「親父が雨飾りの麓できこりをしていて、それを手伝っていました。そんな山仕事の立木の風景をベンチなどの背に意匠としています。一枚の板から枝のイメージを切り取る、
材料の使い方はとても贅沢です。
捨てられてしまう椅子、というのもあるんです。 飽きたとか、家を建て替えたときにそっくり新調してしまうとか。
それを考えると、材料を贅沢に使っても好い物を作ったほうがいい。 親が大切に使っていると子どもも大切に使う。
いいものを引き継いでいってほしい。そういうライフスタイルを提案したいですね。」
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「材料は地元の栗を使うことが多いです。その地にとれた木を使うのが一番です。
栗は水に強い。雨にぬれても何十年も腐らない。縄文遺跡では食料兼建材として栽培されていた跡もあるようです。
その後、北アの三俣山荘と雲の平山荘へ、センやクリのテーブルやホウのベンチなど6台をヘリコプターで運びました。大町の高瀬ダムのてっぺんのへリポートから見送りました。いつか山小屋へ自分の足で、見にいきたいと思っています。どんな岳人たちがどんな顔で座り、何を語っているだろう。クルミの油をたくさんもって行った二男の二朗くんが毎日テーブルを磨いていると聞きました。山は好きで登っていたからそこで座ってもらうのは最高に嬉しいですね。」
三ヶ月ほどかけて伊藤さんの椅子は完成しました。この椅子はご家族がお父さんにプレゼントすることとなりました。納品の日、座った正一さんから感激の言葉を聞くことができました。それをみた息子さんたちが、思わずこれは「おやじの椅子」だといったのです。
そしてそれまでの苦労は喜びにかわったのでした。
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| 作品の展示・販売 有 (訪問には事前連絡が必要です) |
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