52 家具・工房
手作り木工家具の大竹工房 
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端正な形、バランスが整っていて使いやすい。そして丈夫なこと。
それが理想の家具です。

手作り木工家具の大竹工房 大竹收  Osamu Otake



-大竹收さんは脱サラで木工を始めたそうですが

 大学を卒業して千葉で12年務めた会社を辞め、松本技術専門校(技専)に入ったときからです。技術系サラリーマンでしたが、会社生活に疑問をもっていて、もっと創造的な仕事がしたかったんです。
 仕事が忙しく、海外出張などもあり、参ってしまった。精神的に不安定になり悶々としていたら、姉が「それなら手作り木工家具なんてどうかしら」と美麻村の遊学舎を紹介してくれました。
 女房と二人で訪れ、さらに3人の作家の話を聞いて「これは面白そうだな、なんとか自分でもできる」と思ったんです。
 1988年11月、松本の市営住宅で暮らし始めました。北アルプスの眺めがすばらしく、小学生と幼児の子ども達もすぐなじんでくれたのですが、台所で醤油が凍ったのには驚きましたね。
 翌4月から1年間、技専でみっちりと良い指導をうけました。遠藤先生率いる「遠藤組」で実践的に鍛えられました。
 当時36歳、卒業後は就職しようかと迷っていたら「自信があるかどうかは人が判断することじゃない。自分が決めることだ。最初から独立自営したらいいじゃないか。」と勧めてくれました。
 こうして、工房と両親も迎えて住む家を建てる土地探しが始まったんです。



パーソナル・テーブル


-安曇野を選んだ理由は?

 一緒に住むことになった父は旧制松本高校で青春時代をすごしたので、安曇野に親しみがあり、割合早く決まりました。仕事に関してもここは日照時間が長くて、空気が乾燥していて最適なんです。松本家具の伝統があるので機械や道具も充実していますし、材料もいいものが揃います。

-作風は、割とカチッとしていると思いますが

 よく人には地味だけど堅実と言われます。15年やってきて、自分でもそう思うし自分もそういう人間です。
 おとなしくてそれでいて使っていて飽きない。端正な形、バランスが整っていて使いやすい。装飾的なものを付け加えるよりもそのもの自体の形のバランスが大切。
 面取りなども最低限にする。自分の作風は北欧的なモダンなものに近いと感じています。

 作っているときの目標は、まず第1に使いやすいこと。椅子なら座りよい、キャビネットなら目的にかなった機能、引き出しや扉の使いやすさを大切にしています。
 第2に丈夫であること。手作り木工家具は非常に高価ですし、それにかなうだけ長持ちしてくれなければならないと思っています。
 第3に気持ちがよいこと。形が良くて、雰囲気が良くて、和む、これが木ならではの世界。使っていて気持ちよくなるような家具を目指しています。
 材料は板を1寸1分で買い、木どりすると9分(27cm)になる。これで箱を作る。これは松本民芸家具のシステムなんです。やはり、どこかにそういう流れが入り込んでいるんですね。



キャビネット


-椅子「CAT」で新しい境地がひらかれたようですが

 以前からダイニングチェア、アームチェアなど手がけていました。スツールなどを作るときに「椅子に関してはオーガニックな曲線をとりいれたい」と思っていまして、その長年の想いがかなって「CAT」が出来上がったのが2000年です。
 使っているお客様からも「形もいいし、使い心地も最高」と言って頂いています。私の意図が100%理解して貰えて嬉しいですね。



CAT


-図面もきちんと描かれるのですね

 部材表はもちろん、制作要領書というのも作ってあります。こうしないと手順を忘れちゃうんですよ(笑)。




-座もいろいろ選べるのがいいですね

 一番人気なのは「編み」ですね。材質は紙ですが、防水処理もしてあります。レザー(合成皮革)もいいですよ。現在のレザーはかなり品質が良く正しい物を使えば本革(牛革)よりも性能が良いと聞いております。夏に短パンで座っても汗ばむことが無いんです。編み、皮、布は板座にくらべて座り心地がよくて暖かく、椅子自体も軽くてお勧めです。
 近いうちに、4脚〜6脚そろえても価格がお手ごろになるものも手がけたいと考えています。

-将来はどんな感じにしたいですか

 生涯現役。70歳80歳になっても、木工を続けて、稼げることです。これが会社員にはない醍醐味ですよね。

-話は変わりますが、山もずいぶん登られたんですよね

 高校時代から八ヶ岳、富士山と上り始め、大学時代では山岳部に入っていました。年間70日くらい山に入りました。山スキーでもずいぶんしごかれましたね。会社でも山岳部。そこで女房と知り合いました。

-この地に住んでどうですか、ライバルが多いということはありますか

いえ、ギルドを結成したりして、おたがい励まし合い、技術交換もできるので良いですよ。




-では、マイナス面というか、そんなことはありませんか

 「大竹さんみたいな生活がしたいな」と言う人には「よく調べて、考えてみたほうがいいよ」と言うんです。まずは、公共交通手段が無いので(バスがない)車が無くてはならない。人を送り迎えをする時間や労力も大変。車も3台あります(父、家内、私)。
 あとは地域の問題とか。常会(隣組)にも入っているし、役員もこなしてきました。郷に入っては郷に従え、ですか。今となっては丸くなりましたが、最初は「何でそうなんだ」と腹を立ててばかりいましたよ(笑)
 でも、なんと言ってもここは自然にめぐまれていていいですよね。都会に住んでいたときには、そういう暮らししか知りませんでした。でも、ここに来てみればいろんな暮らし方の人がいるじゃないですか。
 それに、この仕事は面白いです。大好き!天然の素材だし、体にもいい。なによりも、人に喜んで貰える実用品を作っているんですから。



盛夏の工房風景


手作り木工家具の大竹工房 (家具・工房)
大竹收 
〒399-8301 長野県安曇野市穂高有明7314-28 
TEL 0263-83-5695 
FAX 0263-83-5854
E-mail : otake-osamu☆mub.biglobe.ne.jp (☆を@に変えてください)
URL   http://www5f.biglobe.ne.jp/~woodwork/

作品の販売  有 (ただし在庫がある場合のみ。訪問には事前連絡が必要です)


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